アルミケーブル工事の注意点
近年、銅価格の高騰や盗難対策としてアルミケーブルの採用が増えています。しかし銅ケーブルと同じ感覚で施工すると思わぬトラブルになることがあります。
ケーブル工事の注意点をまとめました。
1.端末処理には専用工具が必要
アルミケーブルの端末処理には圧縮または圧着の2種類があります。どちらも銅ケーブル用の一般的な工具はそのまま使えず、アルミ専用の工具・ダイスが必要です。
古河電工(現SFCC)の**「らくらくアルミケーブルシステム」**では、アルミ圧縮端子・アルミ圧着端子・バイメタル圧着端子の3種類が用意されており、らくらくアルミケーブルとの組み合わせで信頼性評価済みです。
銅機器(ブレーカーや銅バーなど)への接続にはバイメタル圧着端子を使用することで、異種金属による電食リスクを低減できます。
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2.接続部の注意点(異種金属・電食対策)
アルミは銅と直接接続すると、イオン化傾向の違いから電食(ガルバニック腐食)が発生します。銅端子・銅バーへの直接接続は避け、必ずアルミ対応の専用端子を使用してください。
また、アルミは表面に酸化被膜が形成されやすく接触抵抗が上がるため、圧縮前にワイヤーブラシで被膜を除去し、酸化防止コンパウンド(オキシガード等)を塗布するのが必須作業です。「らくらくアルミケーブルシステム」の圧着端子は、導体挿入孔にコンパウンドがあらかじめ内包されており、現場での塗布作業を省略できます。
3.施工性の違い(重量・曲げ半径など)
アルミは銅と比べ重量が約1/3と軽く、大サイズの幹線ケーブルでは延線作業が大幅に楽になります。一方、銅より柔らかく傷つきやすいため、引っ張りや擦れに注意が必要です。
また外径が銅より大きくなる(1.12〜1.27倍程度)ため、既存の電線管や貫通部をそのまま流用できないケースがあります。盤内での取り回しも曲げ半径が大きくなるため、余裕のあるスペース確保が必要です。
4.適用できない用途
アルミケーブルが使用できない・不向きな用途があります。
- 耐火ケーブル:アルミ導体の耐火ケーブルは現時点で製品化されていないため、消防設備配線には使用できません。
- 太陽光発電のDC配線:直流回路では電食リスクが高まるため推奨されません。
- 細い配線:アルミケーブルは主に14sq以上の幹線用途が主流で、細い分岐回路には適していません。
5.サイズ選定の考え方(1〜2サイズアップ)
アルミは導電率が銅の61%(IACS)のため、同じ電流を流すには断面積を大きくする必要があります。目安として14〜100sqは1サイズアップ、150sq以上は2サイズアップが基本です。
電圧降下計算にはこちらのツールをご活用ください。 ▶ アルミケーブル簡易式電圧降下計算
